財団概要

おさんぽ『もしもしおでんわ』(童心社)より 1970年

「いわさきちひろ記念事業団」は、絵本画家・いわさきちひろ(1918-1974)の没後2年目の1976年に、遺族から、ちひろの全作品、資料ならびに著作権の一部の寄贈を受け、ちひろの業績を記念し、絵本等の文化の発展に寄与する活動などを行うことを目的として設立されました(財団法人認可は1977年11月)。

1977年9月には、ちひろの自宅の一角に、「いわさきちひろ絵本美術館」(現「ちひろ美術館・東京」)を開館し、ちひろの絵にいつでも出会える場として、また、身近に絵本や絵本の原画に接することができる絵本の専門美術館としての活動を始めます。

散逸しやすい絵本原画を、人類の大切な文化遺産の一つとして位置づけ、世界の絵本画家の作品収集・公開・保存・研究に努め、1997年には、ちひろの作品とともに、世界の絵本画家の作品を恒常的に見ることができる安曇野ちひろ美術館を開館します(2022年5月現在、ちひろ作品9,600点の他に、35の国と地域の220名のアーティストによる17,900点を収蔵)。

2004年からは、代表作をピエゾグラフ(※)作品として再現し、原画での展覧会が困難な地域・施設でも、「ちひろ展」を開催。中国、ベトナム、韓国、台湾をはじめとしたアジアの国々で、ちひろと絵本文化の普及支援活動を行っています。
2005年7月からは、子どもたちが訪れやすい場所にと、高校生以下の入館料を無料にしました。ちひろと世界の絵本画家たちの作品を通して、異文化に対する相互理解とともに、やさしさや、美しいものを感じる豊かな心が育まれる場となればと願って活動しています。

※ いわさきちひろピエゾグラフ作品は、極めて高度な再現能力を持つエプソンのピエゾグラフ技法を用い、現在の原画の状態を再現するとともに、将来にわたって原画のデータを保存するデジタルアーカイブの試みです。

目的

  1. 子どものしあわせと平和を願いつづけた絵本画家いわさきちひろの業績を記念し、文化の民主的多面的発展に寄与する活動をおこなう。
  2. 散逸しやすい絵本の原画を人類の文化遺産と位置づけ、絵本芸術等に関する資料を収集・保管・展示して教育的配慮のもとに一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業をおこない、あわせて、これら資料に関する調査研究をおこなう。

事業

  • 絵本美術館の設置運営
  • 絵本等に関する展覧会、講演会の開催
  • 絵本等に関する作品・資料の収集・保存、並びに、調査・研究
  • 絵本等に関する教育活動
  • 絵本等に関する普及活動
  • 絵本等に関する国際交流
  • 絵本等に関する支援活動
  • その他この法人の目的を達成するために必要な事業
  • 前項の事業は、本邦及び海外において行うものとする。

定款全文をダウンロード

役員

    • 評議員 高橋 明也 東京都美術館館長
    • 評議員 内藤 廣 建築家、多摩美術大学学長
    • 評議員 永井 愛 劇作家、演出家
    • 評議員 平山 知子 弁護士
    • 評議員 松本 由理子 元財団事務局長
    • 代表理事山田 洋次 映画監督
    • 理事 黒柳 徹子 女優、ユニセフ親善大使、ちひろ美術館(東京・安曇野)館長
    • 理事 面出 薫 照明デザイナー、武蔵野美術大学 客員教授、ちひろ美術館・東京副館長
    • 理事 佐藤 卓 グラフィックデザイナー
    • 理事 竹迫 祐子 前財団事務局長
    • 理事 阿部 惠 安曇野ちひろ美術館 前副館長
    • 理事 上島 史子 安曇野ちひろ美術館副館長
    • 監事 酒井 京子 株式会社童心社会長
    • 監事 武市 直樹 有限会社至光社会長

活動報告

国際交流

研究成果