2019夏 水彩ワークショップ報告

現在、展覧会 「ちひろさんの子どもたち」谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所 を開催しています。
展示室4に設置されている大きな帽子の形の“子どものへや”の半球部分を飾っているのは、水彩の「にじみ」でつくったオーナメントです。

オーナメントは、にじみの好きな部分を3か所、同じ大きさの円で切り抜いて張り合わせたらできあがり。

この夏、ちひろ美術館・東京で開催した水彩の「にじみ」に関連したワークショップのようすをご報告します。

【ちひろの水彩技法体験ワークショップ「にじみの缶バッジ」をつくろう】 
2019年8月5日~8月7日 
いわさきちひろの水彩技法を体験して、好きな部分を缶バッジに仕上げる、毎年人気のワークショップです。

美術館スタッフのほか、学芸員実習の学生と、職業体験の高校生が、手順の説明や缶バッジの仕上げなど体験のサポートを行いました。

ちひろのような絵を描くのは難しいのですが、水彩の「にじみ」はどなたの作品も美しく仕上がり、缶バッジにしたい部分が多すぎて困ってしまうほど。

缶バッジができあがったときのみなさまの笑顔に、私たちスタッフもうれしい気持ちでいっぱいになった3日間でした。

*文化庁平成31年度地域と共働した博物館創造活動支援事業

展示関連イベント【空気の器に絵を描こう】
8月31日(土)
トラフ建築設計事務所の代表作「空気の器」に、水彩のにじみで模様をつけて、世界でただひとつのオリジナルの「空気の器」をつくるワークショップです。

真っ白な「空気の器」に刷毛で水を塗り、その上に透明水彩絵の具をたらすと、ふつうの画用紙とはまた違う風合いのにじみの模様ができていきます。

よく乾いたら、底の方から少しずつ丁寧に、立ち上げるように広げていきます。

立ち上げていくと、平面のとき以上に色彩の豊かさが感じられ、付き添いの保護者の方々からも歓声が上がりました。持ち帰ってからも自由に形を変えることができるというのも、子どもたちに魅力的に見えたようです。

夏休み最後の工作体験、という子どもたちも多かった空気の器のワークショップは、スタッフ自身もあらためてその美しさを実感したイベントとなりました。

水彩の「にじみ」は水彩絵の具、筆、水、そして紙があれば、どなたでもつくれます。

ワークショップに参加されなかったみなさまも、ぜひ気軽に水彩絵の具にチャレンジして、絵の具が自然につくりだす「にじみ」をお楽しみくださいね。

(T.K.)