いわさきちひろ うきぶくろで泳ぐ少女『ぽちのきたうみ』(至光社)より 1973年
いわさきちひろの絵のなかの子どもたちは、なんでもあそびにしています。ぬいぐるみを友だちにする子、雨の日に水たまりであそぶ子、そうじまであそびとして楽しんでいる子もいます。子どもはあそびながら、世界を探索し、知識を獲得していきます。
本展では、美術館で絵を見ることを「あそび」にします。アートユニットplaplaxによるインタラクティブな作品に加え、発達心理学の視点からもちひろの絵を読み解きます。子どもも、かつて子どもだった大人も、のびのびとちひろの世界を楽しむことができると同時に、あらためて子どもやあそびについて知り、子どもの今と未来について考える展覧会です。
企画協力:森口佑介 Yusuke Moriguchi(京都大学准教授/発達心理学、認知科学)
大人にとっては仕事が生活の中心ですが、子どもにとって生活の中心はあそびです。心理学では、子どもはあそびを楽しむことで毎日を元気に過ごすことができ、大人になる準備をしていると考えられています。また、子どもは、どんなつまらないことも、あそびにして楽しむことができます。いわさきちひろの絵は、このような子どものあそびの本質をしっかりととらえています。なにより、子どもの視点からあそびを描いているところがちひろのすばらしさです。本企画では、このようなちひろの絵を、みなさまにあそびながら見ていただきたいと思っています。
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