『窓ぎわのトットちゃん』とちひろ

ちひろ美術館・東京にて開催中の展覧会「ちひろ・子どもは未来」では、今年刊行40周年を迎える『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)の物語の世界を、ピエゾグラフによるちひろ作品でご紹介しています。

著者の黒柳徹子(ちひろ美術館館長)は、本書を書くときには、いつも子どもの幸せを願っていた、いわさきちひろに絵を描いてほしいと考えていました。
ちひろの急逝から数年後、ちひろが遺した作品のなかから黒柳自身が選んだ絵は、戦時中もユニークな教育方針を貫いたトモエ学園での小学校生活などをつづったトットちゃんのお話に寄り添い、また、豊かに広げてくれるものでした。

トモエ学園の小林宗作校長先生は、トットちゃんに「君は、本当は、いい子なんだよ。」といい続けてくれたこと、そして、このことばは、トットちゃんを生涯支えていくことになったことも黒柳は本書のなかで語っています。
『窓ぎわのトットちゃん』を包む、子どもへの深い信頼とあたたかなまなざしは、ちひろの絵と響きあい、今なお、多くの共感を得ています。
この『窓ぎわのトットちゃん』の世界を、展覧会場で味わってみませんか?

いわさきちひろ こげ茶色の帽子の少女 1970年代前半

◆ピエゾグラフで見る『窓ぎわのトットちゃん』は、
「ちひろ・子どもは未来」にて、2021年6月13日(日) まで開催中です。
同時開催:没後1年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

(K.R.)