東日本大震災から、もうすぐ1年―FUKUSHIMA ARTプロジェクトが、ちひろ美術館に!

2011年3月11日の東日本大震災から、まもなく1年がたとうとしています。
ちひろ美術館・東京では、3月1日から25日まで、
福島県いわき市出身の現代美術家・吉田重信さんと
若い有志のアーティストたちが昨年6月に立ち上げた
FUKUSHIMA ARTプロジェクトによる展覧会を開催しています。

「光の鳥」プロジェクトの展示のようすです。
吉田さんがデザインした光の鳥とともに、
福島で子どもたちやお母さん、お父さんが、絵やメッセージを書いたはがき
約840枚が窓いっぱいに展示されています。

はがきには、「がんばろう にっぽん」「子どもの未来は親が守る!!」といったことばが。


「光の鳥」プロジェクトは、昨年は福島県内各地で展開されてきました。
保育園や小中学校に呼びかけて集まったはがきは約4000通。
県内各地で展示されたあと、はがきは宛名の人たちのもとに届けられました。
「福島では、お母さんが子どもを放射能から守りたいと避難し、
お父さんやおじいさん、おばあさんたちと長く離れ離れになってしまう家族もある。
光の鳥のはがきが未来に届くことが、家族の小さな希望になってくれれば」
と、吉田さんはこのプロジェクトにこめた思いを、話してくださいました。
「日本のなかでも福島だけが危険な場所として切り取られてしまっているように感じるが
放射能は決して福島だけの問題ではないことを忘れないでほしい。
今、日本には54基の原発がある。
自分や、自分の子どもの問題として、いっしょに考えてほしい。
それを語りかけるのは、アートの領分かも」・・・とも。

2012年、FUKUSHIMA ARTプロジェクトは、
福島の人たちの生の声を記録した映像作品「IWAKI-心のことだま」も新たに携えて、
東京、京都、大阪など各地をめぐります。
3月11日には、ここちひろ美術館で、吉田さんの「光の鳥」のワークショップや
いわき市放射能市民測定室代表の織田好孝さんによる講演会も開催します。
震災からちょうど1年になるこの日、福島からのメッセージを受け止め、
ともに考えてみませんか。
(F.U.)