トットちゃんの電車がやってくる!特別お泊り会

2016年夏、安曇野ちひろ公園(松川村営)の北側エリアが拡充され、そのなかに整備されることが決まった「トットちゃんの広場」。トットちゃんこと黒柳徹子(当館館長)が小学校時代に通ったトモエ学園で、使用されていた電車の教室を再現する計画が進められています。みんなで学校にお泊りをして、夜中に移動してくる電車を迎えたトットちゃんの物語のように、松川村に電車が到着するのを迎えるお泊り会を開催しました(参加者約70名)。

10月11日 17:00
電車移設の前日に美術館で行ったオリエンテーションでは、電車を無償で譲ってくださった長野電鉄の笠原甲一社長と運転課の黒岩勉さんにお話を伺いました。大正15年製のデハニ201と、昭和2年製のモハ604という古い貴重な車輌。マルーン色(栗色)のレトロな外観で、黒柳も実際に下見をして、「当時の電車の教室とそっくり!」と気に入ったものです。さて、長野市の旧信濃川田駅で保管されていたこの2輌の電車。松川村まで約70kmもの距離をどのようにしてやってきたのでしょう?

10月11日 21:00
参加者は夕食をとり、お隣のすずむし荘さんの温泉に入って大広間に集合。電車が長野市を出発するころ、就寝前にみんなで電車の出発式をしました。電車の到着はいよいよ翌早朝です。


5、4、3、2、1……電車出発!

10月12日 5:00
参加者たちは眠い目をこすりながら、寒く薄暗いなかで電車を待ちました。空がわずかに明けはじめたころ、大きな大きなトレーラーに載った1輌目の電車が姿をあらわしました。「うおぉー!」「きたきた!」「大きいー!」お泊り会の参加者に加え、かけつけた松川村民のみなさんたちからも次々と歓声があがります。


大きなトレーラーに載った電車が到着

電車は、車体と車輪を外してそれぞれ移動してきたあと、先に設置された車輪のうえに、クレーンで吊り上げられた車体を合わせて降ろされました。

10月12日 6:00
電車の到着を見届けたあとは、美術館へ戻って歓迎セレモニーです。電車の到着を祝い、松川村特産のりんごジュースを手に、平林明人松川村長のかけ声で乾杯!「トットちゃんの広場」完成に向け第一歩を踏み出した記念として、テープカットも行いました。そして、お待ちかねの朝食。トットちゃんのお話に出てくる「海のものと山のもの」が入ったおにぎりと豚汁はすずむし荘さんの手づくりです。おいしくいただき、心も体もあたたまりました。

「また来るね!」と笑顔で手を振る子、電車の設置作業を最後まで見つめていたお父さん。多くの方が長野県内だけでなく、さまざまなところから(遠くは高知県からも!)、トットちゃんの電車を迎えるためにかけつけてくれました。笑顔での別れに、電車が実際に教室として使われる日が一層待ち遠しくなりました。

新しい公園のオープンを翌年に控えた2015年。安曇野ちひろ美術館では、トットちゃんのエピソードにちなんだイベントを毎月開催します(裏面インフォメーション欄参照)。楽しいイベントに参加して、「トットちゃんの広場」の完成を見守っていただければ幸いです。(入口あゆみ)

トットちゃん電車がやってきた様子はYouTubeの公式ページでもご覧いただけます。 ⇒ YouTube
また、トットちゃんの電車の教室が設置される「トットちゃん広場」については公式ホームページもぜひご覧ください。