~宮沢賢治の世界~ お話の会 夕暮れコンサート

「ちひろの愛した アンデルセンと宮沢賢治」展に関連し、宮沢賢治の研究家でもある絵本美術館・森のおうちの酒井倫子館長と森のおうちお話の会の方々をお招きし、宮沢賢治の「お話しの会」「夕暮れコンサート」を開催しました。

お話の会 ~宮沢賢治の世界~
7月12日(土)は、毎月2回行っている「お話の会」の特別版として、宮沢賢治の世界を紹介しました。この日は、子どもたちも楽しめるようにと、山に住む熊と猟師・小十郎の宿命と敬愛を描いた童話「なめとこ山の熊」の紙芝居や、岩手に伝わる座敷童子伝説をもとにした童話「ざしき童子のはなし」の語りなどが披露されました。深い響きを持つ酒井館長の声に、会場は静まり、物語の世界へと引き込まれていきます。最後は、「雨ニモマケズ」の詩を皆で朗読。参加者も一体となって楽しむお話の会となりました。

夕暮れコンサート ~宮沢賢治の世界~
7月13日(日)は、大人の方々を対象に、歌や語り、朗読のコンサートを開催。今泉ヤス子さんの大らかで美しく響く歌声による「牧歌」「星めぐりの歌」で幕が開くと、続いて、ちひろも黒姫高原で口ずさんだという賢治の詩「原体剣舞連」が、ギターの調べにのせて、「ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・スコ・ダ・ダ」と、地に轟くような迫力で朗読されました。農民と森の住人・狼たちとの共存の精神を描いた童話「狼森」の語りでは、出演者と客席とで、「ここに畑起こしてもいいかあ」「いいぞお」という掛け合いも行われました。

書籍で親しまれることも多い宮沢賢治の作品。その世界観に、“音”通して触れることで、言葉の持つ魅力を再発見した2日間となりました。
(宍倉恵美子)