ずっと長さんとともに‐長新太が描いた子どもの本‐開催中!

惜しくも2005年に世を去った長新太。
1960年代から2000年代にいたるまでの約40年間、日本の子どもの本をふりかえってみると、そこにも、ここにも長さんの絵があります。
今回の展覧会では、「子どもの本」をテーマに、11人の作家と長新太との共作や長新太自身が絵も文も手がけた作品をご紹介しています。タイトル通り、ずっと長さんとともに歩んできた日本の子どもの本の歴史が浮かび上がってきます。

まずは、2階の展示室2からスタート。『つみつみニャー』の絵がお出迎え。
こちらで記念撮影をどうぞ。

※出入口につき、ほかのお客さまのご通行にご注意ください。


順路表示も長さん


原画の他、貴重な資料も展示しています。
こちらは、マニアの方からも驚きの声が寄せられた1968年の絵雑誌。長の初めての絵本『がんばれさるのさらんくん』(福音館書店)と同年に刊行されたものです。
このケースのなかに展示した本からは、長が子どもの本を手がけ始めた1950年代前半から60年代前半にかけての画風の変遷を見て取ることができます。

本展で展示している作品で最も古い作品がこちら。

今江祥智の『山のむこうは青い海だった』の挿し絵で、1959年に描かれたものです。
もともと漫画家として出発した長新太。1950年代にはさまざまな漫画家のスタイルを貪欲に学び、自身の作品に生かしています。
シャープな線が印象的で、場面ごとに説明的な描写と抽象的な飛躍のある描写を描きわけています。題字も長が手がけました。


「おやすみぼくのむぎわらぼうし」は、1973年刊行の幼年向け絵雑誌に、今江祥智が童話を書き、長が絵を描いた作品です。単行本化されていないので、今では知る人が少ない作品です。今回が原画初公開。6場面全てを紹介しています。

そして、最晩年の作品はこちら。

未刊行の乳幼児向けの絵本の草稿です。これまでこの草稿の存在は知られておらず、こちらも今回が初公開となる作品です。長は、亡くなるまで、真摯に絵本に取り組み続けました。なかでも心血を注いだのがあかちゃん向けの絵本です。長新太は、ことばを理解する前のあかちゃんの感性にも響く心地よさ、面白さを絵本のなかに追究し続けました。

そのほか、合計約100点の作品を展示しています。

展示室には感想ノートも置いてありますので、長さんへのメッセージをお寄せください。
皆様のご来館をお待ちしております。
(H.M.)