今日は成人の日

新成人のみなさま、ご家族のみなさま、誠におめでとうございます。

2024年に成人の日を迎える方に、いわさきちひろのことば「大人になること」を、

寿ぎにお贈りします。

 

「人はよく若かったときのことを、とくに女の人は娘ざかりの美しかったころのことを何にもましていい時であったように語ります。けれど私は自分をふりかえってみて、娘時代がよかったとはどうしても思えないのです。-中略―

若かったころ、たのしく遊んでいながら、ふと空しさが風のように心をよぎっていくことがありました。親からちゃんと愛されているのに、親たちの小さな欠点が見えてゆるせなかったこともありました。

いま私はちょうど逆の立場になって、私の若いときによく似た欠点だらけの息子を愛し、めんどうな夫がたいせつで、半身不随の病気の母にできるだけのことをしたいのです。

これはきっと私が自分の力でこの世をわたっていく大人になったせいだと思うのです。大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。」

 

いわさきちひろ 「大人になること」(抜粋) 1972

 

今年成人を迎えるみなさまがすてきな大人になりますように。

「大人になること」の全文は、以下よりご覧いただけます。

ちひろのことば

作品: 紫の花と若い女性 1971年