福井県「ちひろの生まれた家」記念館にて「ピエゾグラフ展 ちひろの庭」が開幕

「ちひろの生まれた家」記念館(福井県)では、本日より「いわさきちひろ 生誕地・武生 ピエゾグラフ展 ちひろの庭」を開催します(6月3日(月)まで)。

 

春になって庭に花が咲きだすと、私の心はどうしてこう散漫になるのであろうか。素どおしのガラス戸から、やわらかい緑や花の色が見えると、もう私は仕事どころではなくなり、すぐ庭にでてしまう。

いわさきちひろ 1971年

 

ちひろが22年間を過ごした練馬区下石神井の自宅の庭には、40種類もの植物が植えられていました。チューリップやパンジーなど季節の花が彩る花壇、ツルバラのからむバラ棚やフジ棚があり、春には足元にピンクと白のシバザクラや濃い紫のスミレが可憐な花を咲かせました。ちひろは、自ら丹精して草花や樹木を育て、アトリエや食卓にも花を飾って楽しんだといいます。花を愛するくらしぶりは、種苗屋に生まれ博物(生物)と家事の教師で園芸好きだった母・文江の影響もあったのでしょう。庭はまた、幼い息子の格好の遊び場でした。身近な草花や子どもたちは、ちひろの絵のイメージの源泉となり、作品のなかに登場しています。

本展では、四季を彩る草花を描いた作品をピエゾグラフで展示するほか、写真や資料からちひろの庭のようすも紹介します。

明日(3/16)には、北陸新幹線越前たけふ駅が開通します。

紫式部ゆかりの地でもあり、今話題の武生へちひろを訪ねてみてはいかがでしょうか?