[表紙の作品] いわさきちひろ 「スイートピーとフリージアと少女」1963年

1963年春から、ちひろが亡くなる1974年までの12年間、月刊雑誌「子どものしあわせ」の表紙をちひろの絵が飾りました。150点におよぶ作品群からは、ちひろの画業の変遷が確認できるとともに、多くの代表作も生まれています。
第一作となったこの作品には、こんなことばが添えられています。「迷うことなく、スッキリした、ある意味では少々モダンなものを、思いきって描こうと決心して、絵筆をとりました。」 この仕事に懸けるちひろの意気込みが感じられます。画面の左右、あるいは上下から茎を伸ばす花々を描いた独特の構図を、ちひろは1963年ごろから好んで用いています。