西村繁男 『にちよういち』(童心社)より 1979年

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ちひろ美術館コレクション展 くらし

絵本に見る世界のくらし

ちひろ美術館では、すぐれた子どもの本のイラストレーションを貴重な文化財のひとつと位置づけ、世界34の国と地域、207名の画家による27,200点を収蔵しています。
本展では、コレクションのなかから「くらし」をテーマにした作品を展示します。国や地域、風土や文化が異なるなかでも、家族や友人らとともに日々のくらしを営む人びとの姿は共通のものです。絵本のなかに描かれたさまざまなくらしの情景を通して、異国の文化や風習への理解を深め、そこに生きる人びとへの共感を広げることは、平和を願う礎ともなるでしょう。絵本画家たちが描いた、世界の人びとの多様なくらしをご覧ください。

フィールーゼ・ゴルモハンマディ『暗い部屋の象』より 2000年

世界のさまざまな家や民族衣装が登場

絵本のなかには、それぞれの気候風土にあった独自の住まいや民族衣装が描かれることがあります。遊牧生活を送るモンゴルでは、簡便に組み立てができる移動式住居ゲルが使われ、熱帯雨林のパプアニューギニアでは、高床式の家屋が登場します。宗教の戒律が厳しいイスラム圏の女性たちは、頭から全身までを覆うチャドルに身を包んでいます。世界のさまざまな家や建物、彩りも鮮やかな民族衣装など異国情緒をお楽しみください。

家族や仲間とともに生きる

何気ない日々のくらしのなかで、家族や仲間とともに過ごす時間はかけがえのないものです。国や地域はちがっても、子育てや仕事にいそしむ人びとの姿はかわりません。世界の絵本画家たちが描く作品からは、さまざまなくらしが見えてきます。

ボロルマー・バーサンスレン『ぼくのうちはゲル』より 2004年