8月6日についての絵本
安曇野ちひろ美術館展示室1、3にて開催中 いわさきちひろ生誕100年「Life展」ひろしま 石内都 に関連して、「8月6日」に関する絵本のなかから、いくつかご紹介します。
『ドームがたり』
アーサー・ビナード ・作 スズキ・コージ・画
出版社:玉川大学出版部
出版年:2017年
「どうも、はじめまして。ぼくの名前は「ドーム」。あいにきてくれて、ありがとう。」という一文から始まり、広島の原爆ドームから見た広島の過去、今が語られていきます。顔をもったドームは、どこかユーモラスでありながら客観的に、自分の由来や原爆投下までを淡々と述べていきます。絵本の後半では、原子爆弾がどのようにつくられたか、そして戦争の後も原爆は各地に実験の名で落とされ、原子力発電所も増えている状況をドームは心配して語り続けます。文も絵もともに斬新な視点の一冊。
『春姫(チュニィ)という名前の赤ちゃん』
ピョン・キジャ・ 文,チョン・スンガク・ 絵
出版社:童心社
出版年:2017年
岡山県の小さな町に引っ越してきた由美ちゃんは、学校へ行く途中に、あるおばあさんの家の前を通ります。おばあさんと仲よくなった彼女は、おばあさんの家にはかわいいあかちゃんがいる、と聞きます。しかし、ある日、その赤ちゃんが入院したと知ると同時に、赤ちゃんは今43歳だと聞いて由美ちゃんは驚きます。そこで、おばあさんは語りました。第二次世界大戦の時に朝鮮半島から無理やり日本に連れてこられた夫を追って広島で被爆し、夫は死に、戦後生まれた娘の春姫(チュニィ)は胎内被曝のために大きくなれず、赤ちゃんのままだ、いうことを。被爆者のなかには、多くのアジアの犠牲者もいたことを、この絵本は知らせています。
『昭和二十年八さいの日記』
佐木隆三・文,黒田征太郎・絵
出版社:石風社
出版年:2011年
昭和20年、西暦1945年、8歳の誕生日を迎えた主人公の日記のページからこの絵本は始まります。戦争のまっただなか、軍国少年としてお国のために生きる覚悟をもった彼の耳に届くのは日本各地の戦況、そして当時流行していた歌の数々。8月6日の朝、畑作業をしていた彼は、空に光とキノコ雲を目撃します。佐木の実体験をもとにした短い文に、黒田が絵具のにじみや、墨とボールペンの黒を活かして力強く描いています。
- 『第二楽章 ヒロシマの風 長崎から』吉永小百合・編 男鹿和雄・画 スタジオジブリ 2015年
- 『いのりの石 ヒロシマ・平和へのいのり』こやま峰子・文 塚本やすし・絵 フレーベル館 2015年
- 『天からふってきた悪魔』安斎育郎・文/監修 新日本出版社 2014年
- 『さがしています』アーサー・ビナード・作 岡倉禎志・写真 童心社 2012年
- 『8月6日のこと』中川ひろたか・文 長谷川義史・絵 ハモニカブックス 2011年
- 『ミサコの被爆ピアノ』松谷みよ子・文 木内達朗・絵 講談社 2007年
- 『ヒロシマに原爆がおとされたとき』大道あや・著 ポプラ社 2002年
- 『はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま』西村繁男・画 神戸光男・構成/文 童心社 1997年
- 『絵で読む広島の原爆』那須正幹・文 西村繁男・絵 福音館書店 1995年
- 『ひろしまのエノキ』長崎源之助・作 二俣英五郎・絵 童心社 1988年
- 『ピカドン』丸木位里,丸木俊・作 小峰書店 1987年
- 『ひろしまのピカ』丸木俊・絵/文 小峰書店 1980年
- 『まちんと』松谷みよ子・文 司修・絵 偕成社 1978年
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