展覧会紹介「ちひろ美術館コレクション 江戸からいまへ 日本の絵本」
ちひろ美術館・東京の展示室1・2では、「ちひろ美術館コレクション 江戸からいまへ 日本の絵本」展を開催中です。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/22247/
日本で広く絵本(絵入り本)が読まれるようになったのは、印刷技術が進歩して版本が流通するようになった江戸時代のこと。印刷や本の形、絵画や文学、子どもに対する考え方など、さまざまな要素が絡み合いながら絵本は変化してきました。本展では、江戸から現代までの絵本の歩みと広がりを、ちひろ美術館コレクションをもとに紹介しています。
展覧会のはじめには、いまと江戸をつなぐ絵本として、内田麟太郎と西村繁男のコンビによる『がたごとがたごと』(童心社)を紹介しています。
駅で乗客が乗り込み、電車が出発!がたごとがたごと電車が向かっていく先は……?
『がたごとがたごと』が出版されたのは1999年。江戸時代の始まりから、およそ400年後に誕生した絵本です。電車の出発と到着が3回繰り返されるこの絵本の、最後の到着駅は「チャンバラ駅」。電車が進むにつれて時代をさかのぼり、江戸時代にやってきます。乗客たちも乗りこんだときとはすっかりようすが違っています。
よく見ると、道中には葛飾北斎や歌川広重の浮世絵に登場する風物が描かれ、到着駅では合巻「児雷也豪傑譚」に登場するがま、へび、なめくじの三すくみの妖術乱闘が繰り広げられています。読者が何度も頁をめくりたくなる、絵本ならではの工夫が凝らされたこの絵本から、江戸の絵本へ出発します! (F.U.)
7月24日(土)14時~ 西村繁男さんのオンライン講演会「日本の歴史を絵本に描く」を開催します。
https://chihiro.jp/tokyo/events/13913/
※オンライン会議アプリのZoom を使用したイベントです。指定のURLよりご自宅などからご参加ください。
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