エリック・カール 作品に込められた思い

ちひろ美術館・東京では、「エリック・カールとアメリカの絵本画家たち」が開催中です。

1929年、アメリカに生まれたエリック・カールは、6歳で両親の故郷であるドイツへ渡りました。やがて第二次世界大戦が始まり、ナチス支配下のドイツでは、自由に芸術を学ぶこともできなくなり、空爆を回避するために建物は目立たぬ色に塗られ、町からは次々と色彩が奪われたといいます。
エリック・カールと親交のあった松本猛(当館常任顧問)は、「エリックはどんな理由があっても戦争は絶対してはならないといった。少年時代に爆撃を経験し、戦争は罪もない子どもを含めた民間人のいのちを奪うことを、身をもって知っていたからだろう。」とつづっています。※
喜びに満ち、色彩にあふれたエリック・カールの作品には、子どもは幸せでなければならないという、強い思いが込められています。(K.R.)

※「エリック・カールさんをしのんで」
美術館だより(ちひろ美術館・東京No.213)より
https://chihiro.jp/tokyo/newsletter/52357/

ちひろ美術館コレクション
エリック・カールとアメリカの絵本画家たち
同時開催:幼い日に見た夢 いわさきちひろ展
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

展覧会場(展示室2