ちひろのことばを紹介します⑨

戦場にいかなくても戦火のなかでこどもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです。子どもは、そのあどけない瞳やくちびるやその心までが、世界じゅうみんなおんなじだからなんです。 
いわさきちひろ 1973年

1972年5月、ちひろは「童画ぐるーぷ車」の展覧会に、「こども」と題した3枚の絵を出品します。この作品が岩崎書店の編集者の目にとまり、『戦火のなかの子どもたち』の企画が生まれました。体調を崩すなか、病をおしての制作は1年半におよびます。ちひろは自らの戦争体験を重ねながら、ベトナムの戦場で心を深く傷つけられた子どもたちの姿を描き出しました。
絵本の制作は、最初に1点1点独立した絵を描き、そのなかから19点を選んで構成を検討していきました。絵と短いことばによる詩画集のようなこの作品は、ちひろが生前に完成させた最後の絵本となりました。

◆現在開催中のちひろ展では、ちひろが生前に遺したことばと絵を合わせて展示し、ちひろの人物像や創作の軌跡を紹介しています。
こちらでも、その一部をご紹介します。

◆開催中の展覧会:2026年5月15日(金)~7月20日(月・祝)
いわさきちひろ「とても素朴なんだけれど たいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。」
ちひろ美術館コレクション 魔法の絵本=絵本の魔法
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

ことば:「絵本にそえて」より『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店) 1973年

いわさきちひろ 焼け跡の姉弟『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1973年