武田美穂(日本)『となりのせきのますだくん』(ポプラ社)より 1991年
子どもの心に寄り添い、親しみあふれる絵本を描き続けている絵本画家・武田美穂。
本展では、大人気の『となりのせきのますだくん』をはじめ、リズミカルなことばで楽しく料理が進行する『オムライス・ヘイ!』、作家・那須正幹の遺稿をもとに戦争と平和を見つめなおす『やくそく』などの原画とともに、絵本制作のための資料も展示し、多彩な表現と人気のひみつを探ります。
絵本はエンターテイメント
“ますだくん” や “ざわざわ森のがんこちゃん” シリーズで知られる武田美穂。「エンターテイメントに徹して描いていきたい」と語る武田は、読者である子どもたちの関心を常に意識した絵本づくりを展開しています。映画の絵コンテをもとにしたコマ割りや、吹き出し、オノマトペなど、斬新でありながら親しみやすい手法を用いた表現が魅力です。本展では、『となりのせきのますだくん』をはじめ、ラップ調のリズムにのって調理する『オムライス・ヘイ!』、戦争と平和をテーマにした『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』、最新作の『まるがかけたら』など、1991年以降の仕事のなかから代表的な絵本を紹介します。制作過程がわかる資料も展示し、子どもの心をとらえ続ける武田美穂の絵本づくりのひみつをさぐります。

武田美穂『となりのせきのますだくん』(ポプラ社)より 1991年
展覧会の見どころ
①『となりのせきのますだくん』刊行 35 周年!
1991年に出版された『となりのせきのますだくん』は、2026年に刊行35周年を迎えました。今も絶大な人気を誇る “ますだくん” シリーズから、『となりのせきのますだくん』『ますだくんのランドセル』『ますだくんとまいごのみほちゃん』の3作品を展示します。

絵本『となりのせきのますだくん』(1991年)/『ますだくんのランドセル』(1995年)/『ますだくんとまいごのみほちゃん』(1997年)いずれもポプラ社
②「子どもの心」をとらえる絵本づくりの舞台裏
武田美穂は、1986年に絵本画家としてデビューしてから、画材や手法、印刷技術などを駆使して、子どもの心の世界や、理屈抜きで楽しめる絵本を展開し続けています。制作過程が垣間見える原画や資料を展示し、絵本づくりの舞台裏を紹介します。

武田美穂『おかあさん、げんきですか。』(ポプラ社)より 2006年

武田美穂『まるがかけたら』(理論社)より 2025年

武田美穂『オムライス・ヘイ!』(ほるぷ出版)より 2012年
③戦争と平和を考える
『ねんどの神さま』『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』は、作家・那須正幹の文や遺稿に、武田美穂が絵を描いた絵本です。3歳のときに広島で被爆した那須は、戦争の記憶が薄れつつある現代を危惧し、その思いを文章にしています。武田美穂が「戦争と平和」のテーマに向き合い描き出した絵本から、今改めて、平和を見つめ直します。

武田美穂『ねんどの神さま』(ポプラ社)より 1993年

武田美穂『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(ポプラ社)より 2025年
武田美穂 Miho Takeda
1959年、東京に生まれる。1986年に『あしたえんそく』(偕成社)でデビュー。1992年に『となりのせきのますだくん』で絵本にっぽん賞、講談社出版文化賞・絵本賞、2001年に『すみっこのおばけ』で日本絵本賞読者賞、2007年に『おかあさん、げんきですか。』で日本絵本賞大賞を受賞(いずれもポプラ社)。その他の絵本に「ますだくん」シリーズ、『ありんこぐんだん わはははははは』『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(ポプラ社)、『オムライス・ヘイ!』(ほるぷ出版)、『まるがかけたら』(理論社)などがある。絵本のほか、「ざわざわ森のがんこちゃん」(NHK Eテレ)のキャラクターデザインなどでも活躍。
(撮影・星合隆廣)
SNS Menu