ちひろ ウクライナのスケッチ

現在、安曇野ちひろ美術館の展示室2/ちひろ美術館・東京の図書室では、いわさきちひろがウクライナで描いたスケッチや、キーウ(キエフ)から日本の家族に宛てたはがきを展示しています。

1963年6月から7月にかけて、ちひろはモスクワで開かれる世界婦人会議の日本代表団の一員として、40日間にわたり旧ソビエト各地を旅し、200点ものスケッチを描いています。そのなかにはウクライナの首都キーウ、クリミア半島南端の町ヤルタのスケッチも含まれています。

いわさきちひろ キエフ 老人たち 1963年

ヤルタの植物園で出会った少女と 1963年

ちひろは家族に宛てた手紙にキーウを訪れたときの印象を「町というものがこんなにきれいにできているなんて思いがけないことでした」と記し、スケッチにも旧市街の街並みや、そこに憩う人々の姿を描いています。

2022年2月24日、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり、子どもを含む多くの人々が戦火にさらされています。ちひろが描いたウクライナのスケッチと共に、「世界中のこどもみんなに 平和と しあわせを」というちひろの願いを見つめなおします。