七夕
今日は七夕の日です。
七夕は、奈良時代に中国から伝わり、はじめは貴族の宮中行事として行われ、その後江戸時代に
「五節句」のひとつとなり、現在のように広く親しまれる行事になったといわれています。
奈良時代に編まれた『万葉集』には多くの七夕の歌が収められており、
この行事が古くより人の心を捉えてきたことがうかがえます。
☆一年に 七日の夜のみ逢ふ人の 恋も尽きねば 夜は更けゆくも
(柿本朝臣人麻呂之歌集)
これは有名な七夕の歌のひとつです。
「1年に一度、七夕の夜しか会えないのに、話したいことも気持ちも尽きないまま、
夜だけが静かに終わりに向かっていく…」 そんな情景とも読めるでしょうか。
いわさきちひろは若いころから『万葉集』を愛読し、歌人たちの心情や自然観に深く共感していました。1970年に童心社から出版された『万葉のうた』では大原富枝の文章にちひろが絵を担当しています。
静かな余白のある絵からは、ふたりの逢瀬の喜びが伝わってくるようです。
今夜は夜空を見上げて、織姫と彦星の物語に思いを重ねてみるのもよいかもしれません。
天の川が見られますように。

いわさきちひろ 逢瀬 『万葉のうた』(童心社)より 1970年
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