ちひろのことばを紹介します⑦

私の心のなかには、幼い日見た絵本の絵がまだ生きつづけている。(中略)
幼い日心にうけたその感動が、その人の成長につれてふくよかにより美しく成長し、心の糧になっていく。
童画を描いてる私は、それがちょっとおそろしい気もするけれど、しあわせなことだとしみじみ思う。

いわさきちひろ 1968年

ちひろは、両大戦間の東京・山の手で恵まれた少女時代を過ごしました。
子どもの教育への関心が高まっていたこの時代、芸術性の高い子ども向けの雑誌が次々に創刊され、「童画」ということばが生まれます。
絵雑誌「コドモノクニ」で岡本帰一や武井武雄、初山滋といった優れた童画家たちの絵にふれたちひろは、その美しさに感銘を受けました。
そのころをふり返り、「見ることや考えることがたくさんあって、夢のようないい気持になった」*と語っています。
平和で豊かな子ども時代は、その後、生涯にわたってちひろの心の支えになっていきました。

* いわさきちひろ「絵本と私」より 絵雑誌「こどものせかい」第20巻11号(至光社)1968年

◆現在開催中のちひろ展では、ちひろが生前に遺したことばと絵を合わせて展示し、ちひろの人物像や創作の軌跡を紹介しています。
こちらでも、その一部をご紹介します。

開催中の展覧会: 5月15日(金)~7月20日(月・祝)
いわさきちひろ「とても素朴なんだけれどたいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。」
〈同時開催〉ちひろ美術館コレクション 魔法の絵本=絵本の魔法

ことば:「絵本と私」より「こどものせかい」付録(至光社)

 

 

いわさきちひろ 本を抱える少女 1970年

いわさきちひろ 本を抱える少女 1970年