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ちひろの書と絵画表現
いわさきちひろが、若い世代を対象に選んだ「若い人の絵本」シリーズ5作目『万葉のうた』(童心社 1970年)の原画を、「ちひろの花鳥風月」にて展示中です。ちひろは同シリーズの企画当初から、万葉集を手がけたいと語っており、歌人の人物描写に加え、季節の花や鳥などがみずみずしく描かれています。
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いわさきちひろ 藤『万葉のうた』(童心社)より 1970年
18歳で女流書家・小田周洋に師事したちひろは、藤原行成流の和仮名を学び、一時は書家を目指すほど熱心に稽古を積みました。本展では、『万葉のうた』を描いた同時期のものと推定される、ちひろの手による万葉集の「散らし書き」をあわせて展示しています。
書によって培った筆運びや、余白を生かした構図、墨の濃淡がつくり出す豊かな調子は、モノトーンの作品のなかに生かされ、水墨画にも通じる表現を生み出しました。そして、後年のちひろの水彩画にも深く息づいています。ちひろ作品の魅力の一端を透かし見ることができる展覧会をぜひ、お楽しみください。
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いわさきちひろ 梅『万葉のうた』(童心社)より 1970年
◆ちひろの花鳥風月
2021年9月26日(日)まで
同時開催:
生誕111年 赤羽末吉展
日本美術へのとびら
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/
(K.R.)
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