赤羽末吉の雪国

開催中の展覧会「生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら」では、赤羽末吉の雪国のスケッチとともに、『かさじぞう』の表紙絵の原画を展示しています。

赤羽は、戦中戦後の15年間を過ごした中国東北部から、1947年に日本に引き揚げてきました。帰国した赤羽は、再び目にした日本の湿潤な風土の美しさに魅せられたといいます。

特に雪国への憧憬から、雪深い時期に毎年のように東北や上越の雪国に通い、写真やスケッチで記録し、土地の風俗を探求するようになりました。こうした雪国での体験が、最初の絵本『かさじぞう』(福音館/1961年)へと結びつきました。

赤羽末吉 『かさじぞう』(福音館書店)より 1960年

赤羽は、水をたっぷりとふくんだ墨絵で雪のやわらかさと湿り気、陰りの美しさまでも描き出しています。赤羽末吉の絵本に見る絵画表現を、ぜひ間近にご覧ください。

◆生誕111年 赤羽末吉展 
日本美術へのとびら 
2021年9月26日まで開催中です。

詳細はこちらをご覧ください。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/
同時開催:ちひろの花鳥風月

(K.R.)