坦雲亭日乗(たんうんていにちじょう)とは……

臨時休館中のちひろ美術館・東京から、ご自宅でも展覧会を楽しんでいただける情報を発信しています。

◆没後10年 瀬川康男 坦雲亭日乗-絵と物語の間(あわい)

この「坦雲亭日乗」、聞きなれないことばの意味はなんでしょうか?

瀬川康男 日記「坦雲亭日乗」(展示室1) より

絵本界の鬼才と呼ばれた画家・瀬川康男は、東京の住まいから群馬県・北軽井沢を経て、1982年に長野県小県群青木村へ居を移しました。築80年を超えるこの家を「坦雲亭(たんうんてい)」と名付け、制作に没頭し、愛犬「オビ」と「チー」を連れて散歩へ行き、薪で五右衛門風呂を沸かし、泊りがけで訪れる人々と酒を酌み交わしました。

瀬川康男 「坦雲亭での暮らし」(展示室1) より

「坦」は「平坦」というように「たいらか」のほか、「おだやか」という意味も含みます。また、杜甫の詩「江亭」にあるように、「腹ばいになり、雲のようにゆったりと時を過ごす」という意味もこめられているのかもしれません。「描くこと」に正面から向き合う時間と、山里のおだやかな時間が同居する暮らしは、瀬川の創作を支え、新境地へと導きました。

そして「日乗(にちじょう)」は日記のことです。今期展覧会では、瀬川自身が「坦雲亭日乗」と題した日記や黒いノートにつづったことばとともに絵本やタブロー、植物スケッチなど、1977年以降の作品を中心に紹介します。

瀬川康男 『ひなとてんぐ』(童心社)より 2004年 個人蔵

2020年5月17日(日)まで(予定)

◆同時開催
いわさきちひろ 子どものしあわせ―12年の軌跡

(K.R.)

※ちひろ美術館・東京は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年3月4日(水)から3月15日(日)まで臨時休館中です。