あめのひのおるすばん

『あめのひのおるすばん』(至光社/1968年)は、いわさきちひろが絵も文も手がけた、至光社の絵本シリーズ第1作目にあたります。

いわさきちひろ 窓ガラスに絵をかく少女『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年

「絵本でなければできないことをしよう」という編集者・武市八十雄のことばに、ちひろは呼応するように習作を重ね、新境地を切り拓きます。ちひろは、雨ににじむ景色や、雨音までも表現し、ひとり留守番をする少女の揺れる心を映し出しました。

いわさきちひろ 雨傘と魚の親子『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年

雨の情景も好んで描いたちひろは、この季節の風景をどのように見つめていたのでしょうか。

いわさきちひろ あやめ 『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年

本作は、現在開催中の展覧会「ちひろの花鳥風月」にてご覧いただけます。

◆展覧会のご案内
ちひろの花鳥風月
生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら
9月26日(日)まで
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

(K.R.)