開催中の展覧会

「見ることができて本当によかった」とご感想をお伝えくださる方も多い、開催中の展覧会についてご紹介します。

◆生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら
50歳のときに最初の絵本『かさじぞう』を墨絵で描き、日本の絵本に新風を吹き込んだ赤羽末吉は、若いころからほぼ独学で日本画の修練を積んできました。日本の伝統的な美術を研究し、それぞれの絵本の主題にふさわしい絵画表現を求めて、独自の解釈で絵本に取り入れています。
本展では、赤羽末吉の絵画表現に着目し、子どもたちに開かれた日本美術のとびらともいえる、絵本のための作品のほか、赤羽が使用した画材などを資料とともにご紹介しています。

◆ちひろの花鳥風月
いわさきちひろは身近な自然をいつくしみ、移ろう季節の風物をみずみずしい感性でとらえて、描きました。日本では古来より、自然の風物を「花鳥風月」と呼び、絵画や詩歌などの重要な主題としてきましたが、ちひろの絵のなかにも日本的な美意識は脈々と受け継がれています。ちひろ作品には、表現においても琳派の絵画とも通じる装飾性と大胆な構図、たらし込みの技法など、日本の伝統的な美術との接点も見られます。
本展では、ちひろによる書など、関連資料もあわせて紹介しています。

響き合うかのようなふたつの展覧会を、ぜひゆっくりとお楽しみください。

赤羽末吉 『かさじぞう』(福音館書店)より 1960年

いわさきちひろ 藤の花と子ども 1970年

2021年6月19日(土)~ 9月26日(日)
生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら
ちひろの花鳥風月

▽展覧会の詳細はこちらをご覧ください。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

(K.R.)