ロバの音楽座「愉快なコンサート」のはじまりは…

ワークショップが大盛況のうちに終わり、少しずつ過ごしやすくなってきた夕方。
いよいよ、ロバの音楽座のコンサートの時間です。

「はじまりはロバの鈴、これでお願いしますね。ほんとうにロバの首につける鈴なんです」
お豆のような形の金色の鈴を渡されて、
美術館スタッフもちょっぴり音楽座の一員の気分に。
クッションをおいた、まんなかのこども席には、
昼間のワークショップに参加したこどもたちの顔もたくさん見えます。
みんな何がはじまるのか、わくわくした様子。

いよいよ鈴の音を合図に、4人のメンバーが庭をとおり、楽器を鳴らしながら行進してきます。
ロバの音楽座「愉快なコンサート」の始まりです。

見たことはあるけど、名前のわからない楽器、
そして見たこともない楽器がつぎつぎと出てきます。
この楽器の名前知ってる? という問いかけに
「知らなーい」「おもしろい!」「まがってるよ!」などなど、元気な返事が。

どれも、ちょっとなつかしく、楽しく、あたたかい音ばかり。
不思議な歌や曲に、時にはみんなも、手をたたいたり、いっしょに歌ったり。

壁にかかった、いわさきちひろの、雨の日のこどもたちの絵。
その絵にこたえるように、雨の日の曲もありました。
雨だれがぽつん、ぽつんと落ちてきて、雨に変わっていきます。

音がでるのは楽器ばかりではありません。
団員が取り出したのは、新聞。
あれ、みんなで新聞を読んでる……、と思いきや、そこからさまざまな音が。
カシャカシャ、くしゃくしゃ、バタバタ、バサッバサッ……。
ちいさなボール紙も、あれよあれよ、ちいさな笛に生まれ変わってしまったり。

最後には、こどもたちがワークショップで作った「ブーパクくん」も、
「ブー、ブーッ」とご披露して、「愉快なコンサート」が終わりました。
「ロバの音楽座」に、今日はじめて出会った親子、長年のファン……。
「とても楽しかった」と、みなさん笑顔で帰っていかれました。(S.K)