インドネシア 子どものおはなしフェスティバル:日本とインドネシアの絵本展

1月23日から2月17日まで、インドネシアのバンドン工科大学にて、インドネシアで初となる 子どものおはなしフェスティバル(TaCita Pesta Cerita Anak)が開催されました。そのプログラムのひとつとして、当館は、Litara Foundationと共催で現代の日本とインドネシアの絵本画家の作品の展覧会を開催。また、当館コレクション画家の村上康成、出久根育の2名の画家が招聘され、ワークショップを開催しました。

展覧会
バンドン工科大学は、ジャワ島第3の都市バンドンにある歴史ある国立大学。展覧会は、学内にあるSoemardjaギャラリーにて開催されました。インドネシアの画家35名35点の複製画といわさきちひろを含む日本の絵本画家10名30点のピエゾグラフを展示。オープニングセレモニーは会場を埋め尽くすほどの方が来場し、絵本への興味の高さが伺えました。

バンドン工科大学 Soemardjaギャラリー

出久根育トーク&ワークショップ

トーク「絵本制作-私の試み」では、子どものころに好きだった絵本やどのような子どもだったのか、そのことが絵本の制作にどんな影響を与えているのかを、いくつかの絵本をとおして、話してくださいました。あたたかなお人柄あふれるトークに、会場いっぱいにつめかけた参加者たちは、引き込まれました。

トークをする出久根育さん(右端)

マスタークラス「民話と遊ぶ」は、絵本を学ぶ学生や卒業生を対象とした1日のワークショップを開催。3つの民話(インドネシア、日本、ロシア)からひとつ選んで、表紙と最も印象的な場面を描きました。35名が参加し、真剣に取り組んでいました。ワークショップ終了後も、参加者は、自宅などで作品制作を進め、完成した作品を出久根さんに送ったりと、交流がつづいています。

学生に指導する出久根育さん

村上康成トーク&ワークショップ

創作の裏話や約20年前にバリ島(インドネシア)で描いた絵本の読み聞かせ、ウクレレの演奏と楽しいトークに会場内は笑いにつつまれました。

ワークショップの課題は、黒い大きな紙を好きな動物に切り抜き、その動物が生きるために必要なものをそのなかに描く、というもの。命の大切さに触れ、子どもたちが伸びやかに描く姿が印象的でした。

村上康成さん

村上康成さん作品

思い思いに描く学生たち

このほかにも、当館スタッフによるブックトーク「インドネシアのトットちゃん」、「ちひろの水彩技法体験」を開催しました。

ちひろの水彩技法体験

毎週月~水のスクールデーには、地元の子どもたちを招き、ギャラリーツアーが開催され、日本の絵本の読み聞かせも行われました。会期中、50近いイベントが開催され、約2100人の方が来場しました。今後も、インドネシアとの交流を深め、双方の絵本文化の発展につなげていければと思います。

読み聞かせに参加した子どもたち