
【学芸員がじっくりご紹介!展覧会みどころ②】「伝えたい戦争の記憶 『続・窓ぎわのトットちゃん』」
現在、開催中の展覧会、『戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」』では、『窓ぎわのトットちゃん』と続編に掲載されたちひろの絵を、物語のエピソードとともに展示しています。

窓ぎわのトットちゃん

続 窓ぎわのトットちゃん
1981年に刊行された『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)は、黒柳徹子(ちひろ美術館・館長、ユニセフ親善大使)がトモエ学園での思い出をいきいきとつづった自伝的物語です。刊行から42年を経た2023年、黒柳は自らの戦争体験を伝えたいと、東京大空襲や疎開などあらたに書き下ろした続編を発表しました。
本展に寄せた黒柳のメッセージを紹介します。
「ウクライナやガザの問題で子どもたちはどうしているのだろうと思ったとき、戦争のときに子どもだった自分はどうだったか思い出しました。子どもにとって戦争の何が一番嫌かと言うと、自由ではない、何をやってもいけないということだと思います。
戦前を知る身としては、今の時代が確かにあの頃と似ていると思うことがあります。あのときは、いつの間にか戦争が始まり、私たちの気づかないうちに、当たり前だった日常生活が失われていきました。そのことを知ってほしいと思って、『窓ぎわのトットちゃん』の続編で、私の記憶の中にある戦争と戦後のことを書きました。」
トットちゃんが語ることばとともに、ちひろの絵をご覧ください。
※展示室内の撮影は、ご遠慮いただいております。
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