武生「ちひろの生まれた家」記念館 夏の展覧会

「ちひろの生まれた家」記念館(福井県)では、6月15日より「ちひろ没後50年 特別企画 いのちを見つめて」を開催しています(9月2日(月)まで)。

青春時代のあの若々しい希望を何もかもうち砕いてしまう戦争体験があったことが、私の生き方を大きく方向づけているんだと思います。
平和で、豊かで、美しく、可愛いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます。

いわさきちひろ 1972年

1918年に生まれたちひろは、青春時代のほとんどを戦争のなかで過ごしました。
母親となる前から子どもが好きだったちひろは、やがて子どもの本の世界で活躍し、絵本のほか、雑誌やカレンダーなどにも子どもの姿を多く描きました。そこにはあどけない表情のあかちゃんや、自然のなかで無邪気にあそぶ子どもたちなど、平和そのものの光景があります。
ベトナム戦争が激化し、反戦運動が高まっていた1967年、ちひろは絵本『わたしがちいさかったときに』(童心社)を手がけます。これは広島で被爆した子どもたちの作文や詩に絵をつけた絵本でしたが、ちひろは直接的な描写ではなく、子どもたちの傷ついた心を描くことで戦争の悲惨さを伝えました。

ちひろが亡くなったのは、1974年8月8日。ちひろの没後50年を迎える今、ちひろの平和への想いにあらためて触れてみませんか。

いわさきちひろ ひまわりとあかちゃん 1971年

「ちひろの生まれた家」記念館
住所:福井県越前市天王町4-14
☏0778(66)7112
開館時間:10:00~16:00
入館料:一般300円(高校生以下は無料)
休館日:毎週火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始