秋の夜長の安曇野寄席

日中は気持ちよい秋晴れだったこの日、
夕焼けのあと、閉館後の美術館に来館者が続々と集まります。
お目当ては、秋の恒例となりました「秋の夜長の安曇野寄席」。
10回目となる今回は、「毎年楽しみ」というリピーターの方を含め、
80名のお客さまをお迎えして、開催しました。

まずは、地元・松川村の落語会「風まんだら」から、
寄って亭年輩者(ぽんこつ)さんの「転失気」。

知ったかぶりをする大人と、いたずら心旺盛な小僧とのやりとりに、会場は沸きます。

続いて、遊興亭福し満さんによる「子は鎹(かすがい)」。
表情豊かな、時には目を潤ませながらの福し満さんの熱演に引き込まれます。

頷きながら聞き入るお客さまや、別れて暮らしていた夫婦が、
子どもをきっかけによりを戻すハッピーエンドに、「よかった」と笑顔のお客さまも。

10分間の中入りの後、いよいよお待ちかね、三遊亭時松さんの登場です。

お殿さまが、お忍びで出かけた城下で、当時庶民の食べ物だったねぎま鍋の美味しさに感動することから、家来衆を巻き込んでの騒動となる「ねぎまの殿様」。
江戸時代の身分社会をユーモアたっぷりに風刺した演目で、会場からは何度も笑いがおき、最後には拍手喝采でした。

終演後は、出演者が来場者をお見送り。
お客さまから、「楽しかった!」「元気でにこやかな毎日を送れそう。」
と声がかかったり、握手をしたり。
たくさんの笑顔と大きな拍手に包まれて、寄席はお開きとなりました。
(M.M 3)