いわさきちひろ マフラーをした少女 1970年頃
―いきてるってなんだろう
詩人の谷川俊太郎は、16歳のときから詩を書き始め、対象の本質をするどく作品に取り入れるその力には圧倒的なものがあります。今までに書かれた膨大な数の詩には森羅万象が含まれ、無限の広がりが感じられます。
一方で、いわさきちひろの絵には子どもや草花、小鳥など、身近にある小さないのちの愛しさ、尊さがうたわれています。
異なる個性をもつ谷川の詩とちひろの絵とを組み合わせ、あらゆるものに息づくいのち、たえず変化していく宇宙に耳をかたむけます。
展覧会の見どころ
〈ちひろと谷川俊太郎の絵本『なまえをつけて』刊行!〉
谷川がちひろの描いた子どもの絵によせて、新たな詩をつくったふたりの絵本『なまえをつけて』(講談社)が本展にあわせて刊行されました。谷川の詩によっていのちが吹き込まれ、ちひろの描いた子どもたちがいきいきとおしゃべりをはじめます。
〈生前のちひろと谷川のコラボ「みち」原画初展示〉
谷川の連作詩「みち」が1973年から1974年にかけて新聞に初めて連載されたとき、絵を描いたのがちひろでした。連載の途中でちひろが体調を崩し、別の画家に交代しましたが、遺された6点の原画を詩とともに初めて展示します。
〈いわさきちひろと谷川俊太郎のコラボレーションに参加しよう – 新作詩 発表!〉
9月29日から11月11日まで、安曇野ちひろ美術館内とホームページ上で「展覧会をみて、あなたのなかにうかんだことばをひとつ、書いてください!」と呼びかけをし、2歳から85歳まで434名の方からことばを寄せていただきました。応募してくださったみなさん、ありがとうございました。
みなさんから募った「ことば」をもとにつくった谷川俊太郎の新作詩。発表です。
谷川俊太郎の新作詩
※日本語の詩とともに、英語版も公開しました。
谷川俊太郎からのメッセージ
ちひろさんの子どもたち
ちひろさんの子どもたちは
あかんぼのようにまっさらで
大人よりいっしょけんめい考える
女の子はいつもすっぴん
男の子は戦争がきらい
ちひろさんの子どもたちは
手足のびのびいっぱい遊ぶ
昼間は本を読む 夜は宇宙を読む
友だちには子どもだけでなく
おじいさんやおばあさんもいる
ちひろさんの子どもたちは
悲しいときは堂々と泣く
怒っても悪口はいわない
うれしい時はみんなと笑う
花や小川や紋白蝶もいっしょに
みんないきてる 谷川俊太郎 » 生誕100年特設サイトを見る
― ちひろ美術館コレクションより ― 谷川俊太郎の絵本 展
展示室3では、ちひろ美術館コレクションのなかから、谷川が手がけた絵本『日本語のおけいこ』『絵をかく』『にゅるぺろりん』『みみをすます』のほか、翻訳したバーニンガムの作品も紹介しています。谷川自身のコメントとあわせてお楽しみください。
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