[表紙の作品] いわさきちひろ 朝顔と3人の子どもたち 1970年頃

麦わら帽子をかぶり、網を手にした男の子は、同じ年ごろの男の子と夢中で話をしながら足早に歩いています。その背後にいる女の子は男の子たちの話に興味を示しているようにも見えます。真っ黒に日焼けをしている3人の子どもは、夏休みになり、毎日外で元気に遊んでいたのかもしれません。子どもたちの足元の濃い影から、余白の白は真夏の強い太陽の光を想起させます。3人の子どもたちと呼応するように、ピンク、紫、水色の朝顔が大きく描かれています。水彩の淡い色彩で描かれた朝顔の花は、やわらかな感性を持つ子どもたちの姿と重ね合わされているようです。