コレクション画家のクリスマス絵本
『クリスマスイブ』
マーガレット・W・ブラウン・文 ベニ・モントレソール・絵 やがわすみこ・訳
出版社:ほるぷ出版
出版年:1977年
今夜はクリスマスイブ。なかなか眠れない4人の子どもたちは、真夜中にそっとベッドから抜け出し、階下のクリスマスツリーを見に行きます。暖炉の残り火がキラキラと反射して華やかなツリー、夜空に響く大人たちのキャロルの歌声……、シンプルな物語ゆえ、クリスマス独特の厳かな空気がいっそう私たちに伝わります。多くの絵本を書いたマーガレット・W・ブラウンの文章に、劇作家でもあるイタリアのベニ・モントレソールが絵を描きました。オレンジの画面に描かれた素朴でぬくもりのある絵が、魅力的です。
『賢者のおくりもの』
オー・ヘンリー・文 リスベート・ツヴェルガー・絵 矢川澄子・訳
出版社:冨山房
出版年:1933年
「1ドル87セント。それですべてでした。」とはじまるアメリカの小説家オー・ヘンリーの名作です。デラは、ジムのために、ジムはデラのために、それぞれの大切なものを売り、クリスマスのプレゼントを贈ります。
20世紀初頭に書かれた物語ですが、大切な人を思い、贈り物を選ぶ気持ちは、いつの時代も変わりません。ツヴェルガーが、繊細で透明感のある絵のなかに、二人の優しさを十二分に描き出し、切なくも心暖まります。
『クリスマスプレゼントン』
スズキコージ・作
出版社:復刊ドットコム
出版年:2003年
雪が降り続く町。雪だるまがつくったのはラッパ男。自分たちがつくった馬に乗ってどこかへすっ飛んでゆく二人を追いかけ(途中で雪だるまは、馬から落ち、バラバラになってしまいます!)、メリーは、サンタクロースの甥という「プレゼントンおじさん」に会いました。その村には、サンタクロースの甥がたくさん住んでいるのです……。スズキコージならではの、不思議なクリスマスの物語が繰り広げられます。
スズキコージが、自身のクリスマスのイメージとヨーロッパの冬の旅を重ね、生まれたお話。深い青を基調にした絵に、青色の文字が合わせられ、とても美しい1冊です。
- 『クリスマスのまえのばん』 クレメント・クラーク・ムーア・詩 リスベート・ツヴェルガー・絵 江國香織・訳 BL出版 2006年
- 『ほしがながれてクリスマス』 谷内こうた・絵/文 至光社 2008年
- 『クリスマスのおくりもの』 ジョン・バーニンガム・作 長田弘・訳 ほるぷ出版 1993年
- 『ふたりはいつも』 アーノルド・ローベル・作 三木卓・訳 文化出版局 1977年
- 『エルマーとサンタさん』 デヴィッド・マッキー・文/絵 きたむらさとし・訳 BL出版 2010年
- 『ゆめのゆき』 エリック・カール・作 あおきひさこ・訳 偕成社 2000年
- 『きょうというひ』 荒井良二・作 BL出版 2005年
- 『1993年のクリスマス』 レスリー・ブリスカ・文 エロール・ル・カイン・絵 きたむらたろう・訳 ほるぷ出版 1988年
- 『ぎんいろのクリスマスツリー』 パット・ハッチンス・作 わたなべしげお・訳 偕成社 1975年
- 『クリスマス・キャロル』 チャールズ・ディケンズ・作 ロベルト・インノチェンティ・絵 もきかずこ・訳 西村書店 1991年
- 『あすはたのしいクリスマス』 クレメント・ムーア・文 トミー・デ・パオラ・絵 かなせきひさお・訳 ほるぷ出版 1981年
- 『クリスマスの12にち』 ブライアン・ワイルドスミス・作 石坂浩二・訳 講談社 1997年
- 『クリスマスイヴのこと』 クレメント・ムーア・作 アニタ・ローベル・絵 松井るり子・訳 セーラー出版 1993年
- 『くるみわり人形』 E・T・A・ホフマン・作 モーリス・センダック・絵 渡辺茂男・訳 ほるぷ出版 1985年
- 『福音館文庫 シモンとクリスマスねこ』 レギーネ・シントラー・作 ジータ・ユッカー・画 下田尾治郎・訳 福音館書店 2003年
- 『クリスマス・オールスター』 中川ひろたか・文 村上康成・絵 童心社 1997年
- 『ひとりぼっちのちいさなエルフ』 ハンヌ・タイナ・絵 インリケ・カルヴォネン・文 新教出版社 2009年
- 『ウェールズのクリスマスの想い出』 ディラン・トマス・文 エドワード・アーディゾーニ・絵 村岡美枝・訳 松浦直己・監修 瑞雲舎 1997年
- 『クリスマスものがたり』 ブライアン・ワイルドスミス・作/絵 曽野綾子・訳 大平社 1990年
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