ちひろ 子どもは平和のシンボル 見どころ紹介④
絵本『となりにきたこ』
ちひろ美術館・東京で開催中の「ちひろ 子どもは平和のシンボル」。
その見どころを、何回かにわけて紹介していきます。
知らない人と友だちになる、ということを日常的に行っている子ども。そのようすがよく表れている、現在原画を展示中のちひろの絵本を1冊ご紹介しましょう。

『となりにきたこ』表紙 岩崎ちひろ/絵と文 武市八十雄/案 至光社、1970年
『となりにきたこ』は、ちひろが文と絵を手がけた、至光社の6冊のなかの3冊目です。ほかの絵本では、主人公の女の子のモノローグが中心ですが、『となりにきたこ』では、となりに引っ越してきた男の子が登場し、ふたりのことばを中心にお話が進みます。出会った当初は、そっぽを向いているふたり、さてどうなるのでしょう。

そっぽを向く少年・そっぽを向く少女 『となりにきたこ』(至光社)より 1970年
好みも違うふたりですが、それでもお互いが気になるようで、声をかけあうものの、どこかちぐはぐ。そして時間は過ぎていきます。
この場面は、右奥に元気に大きな犬と走る少年、左手前にそれをながめる少女と小犬。パステルで力強く描かれた夕方の日差しの向こうにいるふたりと、手前にいるふたりの間の距離が濃くなる影とともに感じられます。少女のまわりだけ、背景が白いままで、別の世界にいるようです。

夕日のなかの犬と子ども 『となりにきたこ』(至光社)より 1970年
翌日、ふたりはいっしょにごはんを食べたり、遊んだりしながら、お母さんに叱られるという危機を乗り越えて、急接近。
そっぽを向いていたのと対照的なこの場面は、絵本の表紙と裏表紙にもなっています。(中のページと逆版でつかわれていることに注目。)

ピンクのセーターを着た少女・水色のセーターを着た少年 『となりにきたこ』(至光社)より 1970年
そういえば、「となり」つながりで、現在同時開催中の武田美穂さんの展覧会で展示されている絵本『となりのせきのますだくん』も、ふたりの子どもが仲良くなるストーリーでしたね。大人は子どもから学ぶことがたくさんあります!

武田美穂『となりのせきのますだくん』(ポプラ社)より 1991年
🕊夏の展覧会:7/25(土)~10/25(日)
ちひろ 子どもは平和のシンボル
《同時開催》武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!
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