武田美穂展 見どころ紹介②戦争と平和
ちひろ美術館・東京で開催中の「武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!」。
その見どころを、何回かにわけて紹介していきます。
2回目は、『ねんどの神さま』と『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』、2冊の絵本を通して、改めて戦争と平和を見つめ直します。
板切れ一枚で生死が分かれたっていう話をなさって。板切れのこっち側に那須さんはいた、でも向こうにいる人は死んじゃってた、そういう話をする時は非常に怖いお顔で話していました。「本当に戦争なんてくだらないからしちゃいけない」と何度も何度も那須さんの口から聞いています。
武田美穂 2025年「戦後80年 那須正幹さんの遺稿が絵本に」(テレ朝 NEWS)より

(左):『ねんどの神さま』(那須正幹・作/武田美穂・絵、ポプラ社、1992年)
(右):『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(那須正幹・作/武田美穂・絵、ポプラ社、2025年)
『ねんどの神さま』『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』は、『ズッコケ三人組』などで知られる作家 ・ 那須正幹(1942-2021)の文や遺稿に、武田が絵を描き制作された絵本です。3歳のときに広島で被爆した那須は、戦争の記憶が薄れつつある現代を危惧し、その思いをことばとして表現し続けました。
『ねんどの神さま』(那須正幹・文、ポプラ社、1992年)は、戦争で家族を失った少年がねんどでつくった、“戦争犯罪人をこらしめる神さま”が、50年後、巨大な怪物となり、兵器会社の社長となった少年のもとに向かうお話です。戦争の実態をシビアに伝える内容に、武田は、それまでの画風とは異なる重厚な表現で向き合いました。

武田美穂『ねんどの神さま』(那須正幹・作、ポプラ社)より 1992年
『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(那須正幹・文、ポプラ社、2025年)は、那須が被爆70年に合わせて書いた合唱曲の歌詞のひとつ「ばあちゃんの詩」をもとに、武田が絵を描いた絵本です。中学生のトオルは、自分のことを原爆で亡くなった兄と間違え始めた祖母に戸惑いながらも、祖母の笑顔を見て、「ぼくらはぜったい戦争なんかしない」と決意します。武田はこの絵本について、人間の根源的なやさしさや思いを表現した「やさしい反戦」と語っています。

武田美穂『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(那須正幹・作、ポプラ社)より 2025年
今を生きる私たちに、戦争を起こさないためにはどうしたらよいのか問いかけてくる、2冊の絵本。今日8月6日に、この絵本を開いて、改めて戦争と平和について考えてみませんか。
🕊夏の展覧会:7/25(土)~10/25(日)
武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!
《同時開催》ちひろ 子どもは平和のシンボル
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