梅雨
梅雨の季節となりました。紫陽花はいよいよ深い色に落ち着き、雨粒がその美しさをいっそう引き立てています。
この作品が描かれた絵本『あめのひのおるすばん』では、初めて留守番をする少女の繊細な心の変化が必要最小限の表現で描かれ、見る人の想像を広げる作品となっています。
たっぷりと水分の含んだ淡いグレーや紫、青の色彩からは、雨の日特有の静かな空気感や、お母さんを待つ不安な気持が伝わってきます。また、ところどころに配された小さな赤や黄色からは、不安だけではなく、もうすぐお母さんに会えるという期待も垣間みえるようです。
雨にぬれた窓ガラスに指で絵を描くときの、ひんやりとした指先の感触まで伝わってくるようなちひろの描く雨の日の情景を、どうぞお楽しみください。
◆開催中の展覧会:2026年5月15日(金)~7月25日(日)
いわさきちひろ「とても素朴なんだけれど たいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。」
ちひろ美術館コレクション 魔法の絵本=絵本の魔法
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

いわさきちひろ 窓ガラスに絵をかく少女『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年
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