みんなの「ひとりひとり」のつづき

「いわさきちひろ ぼつご50ねん こどものみなさまへ みんな なかまよ」は、
ちひろの絵を見ながら、みんなで「へいわ」について考える展覧会です。  

展示室では、絵本『ひとりひとり』(詩・谷川俊太郎 講談社刊)を味わった後、自分のことばで詩のつづきを書くワークショップを行っています。
みなさんから寄せられた「ひとりひとり」のつづきをご紹介します。

ひとりひとり
ひとりひとり 違う目と鼻と口をもち
ひとりひとり 同じ青空を見上げる
ひとりひとり 違う顔と名前をもち
ひとりひとり よく似たため息をつく
ひとりひとり 違う小さな物語を生きて
ひとりひとり 大きな物語に呑みこまれる
ひとりひとり ひとりぼっちで考えている
ひとりひとり ひとりでいたくないと
ひとりひとり 簡単にふたりにならない
ひとりひとり だから手がつなげる
ひとりひとり たがいに出会うとき
ひとりひとり それぞれの自分を見つける
ひとりひとり ひとり始まる明日は
ひとりひとり 違う昨日から生まれる
ひとりひとり 違う夢の話をして
ひとりひとり いっしょに笑う
ひとりひとり どんなに違っていても
ひとりひとり ふるさとは同じこの地球

谷川俊太郎
詩初出『谷川俊太郎詩集 すき』(理論社)