展覧会紹介 「くらし、えがく。ちひろのアトリエ」その①

10月8日(土)より、「くらし、えがく。ちひろのアトリエ」展が始まりました。

図1 顔をおおう自画像(屋根裏のアトリエにて) 1947年頃

ちひろは、第二次世界大戦後、画家を再び志してひとり上京しますが、最初に借りた叔母の家の3階の屋根裏部屋がアトリエでした。そこでの自分のようすを描いた作品が残っています(図1)。
インクのみで描かれた作品ですが、よく見ると、小さな花が生けてあったり後ろにはイーゼルにキャンバスらしきものがたててあったり、ちひろの「くらし」と「仕事」が両方伺えます。

図2 屋根裏のアトリエで本を読む自画像 1947年頃

また、同じ時に描いたと思われるこちらの作品は、低い机の横で、やはり手を顔にあてながら座っているちひろ自身が描かれています(図2)。
同じ家に住んでいた従妹の中村澄子は、このときのちひろのアトリエについて、「南に大きな窓があって明るいけれど畳がなく、板の間にうすべりをしいただけの粗末なもので、八畳ぐらいの大きさです。天井がななめになっていて大きな丸太の梁のある部屋でした。」と語っています。
このアトリエの時代に描いた、従妹のスケッチや自画像、新聞記事の資料などちひろの画家としての出発点でもある作品が展示室1に展示されています。
どうぞご覧ください。

◆開催中の展覧会
くらし、えがく。ちひろのアトリエ
2022年10月8日(土)~2023年1月15日(日)