『てぶくろ』の画家エフゲーニー・ラチョフ

開催中の展覧会「ちひろ美術館コレクション 絵本から飛び出せ!動物たち」では、世界各国の絵本画家が描いた魅力あふれる動物たちに出会うことができます。

今回ご紹介するのは、ロシアの画家エフゲーニー・ラチョフによる作品です。

エフゲーニー・ラチョフ ウクライナ民話『てぶくろ』(福音館書店)より 1950年

世界中で半世紀以上にわたり愛されているロングセラー絵本『てぶくろ』をはじめ、ラチョフはたくさんの動物民話を手がけました。ラチョフの描く動物民話の大きな特徴は、動物たちが民族衣装を着て登場することです。

エフゲーニー・ラチョフ ロシア民話「マーシャとくま」より 1965年

ラチョフは、民話に登場する動物を、人間の性格や社会的地位などを暗示・強調した存在であるととらえ、それを表現するために動物たちに民族衣装を着せました。動物本来の特徴をよくとらえ、写実的に描かれた動物たちが、民族衣装を着ることで一気に人間味を帯びてくる……このことにラチョフは強く惹かれたといいます。

本展では、当館が収蔵する『てぶくろ』の原画全7点(習作1点含む)のほか、ロシア民話「マーシャとくま」や「ほらふきうさぎ」など、ラチョフが手がけた絵本原画や立体作品をご覧いただけます。

また、6月19日(日)開催の展示関連イベント「動物園の飼育員さんに聞いてみよう!絵本の動物たちのリアル」では、作品に描かれた動物たちについて、動物と一番身近に接している動物園の飼育員さんからお話を伺います。展覧会をより楽しめる内容になっていますので、ぜひご参加ください。

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