いわさきちひろ カーテンにかくれる少女『あめのひのおるすばん』より 1968年
その場に内在するイメージを鮮やかに掘り起し、繊細な感覚と壮大なスケールを併せ持つインスタレーションに取り組んできた大巻伸嗣が、ちひろ美術館・東京の空間全体をつかって、いわさきちひろの絵の世界を旅するような体験をうみだす展覧会。今までにない新たな視点から「生きる力」を喚起する。
展覧会に寄せて / 大巻伸嗣
今回の展覧会を機に、ちひろさんの絵を改めて見て実感したのは、ちひろさんは、リアリティを追求した画家だということです。特に私が感銘を受けたのは、『わたしがちいさかったときに』と『戦火のなかの子どもたち』です。
私たちが生きている今の時代は、戦争がいつ起こってもおかしくない状況にあると思います。
この2冊の絵本を読んで、今、私たちの目前に、見えないけれど存在している現実をつきつけられたようにも感じました。
なかでも、最も心を動かされた絵は、「焔のなかの母と子」です。母親の睨みつけるようなまなざしは、どこか近くを見ているようでもあり、ずっと遠くを見つめているようにも感じられます。
今回の展覧会のタイトルは、この作品を通して考えました。
今回の展覧会は、私たちの視点、まなざし、その向かう先を考えながら体験していただきたいと思います。・・・続きは ちひろ美術館・東京 ブログ へ
まなざしのゆくえ 大巻伸嗣 » 生誕100年特設サイトを見る
※「いわさきちひろ生誕100年」記者発表時(2017年11月1日)の映像です。
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