ブテンコさんのワークショップ 「ブテンコさんと一緒に、絵を描こう!」

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 集まったのは、20名の小学校低学年の子どもたち。「絵を描くのが難しいと思っている人は?」との質問に、手を挙げた子をホワイトボードの前に呼び、点を2つ描いたブテンコ。「これは何だろう?」と聞くと、子どもは少し考えた後、点を目にして、顔を描きました。次に、一本の線をブテンコが描き、そこから家、キリン、おむすびなどさまざまな絵を子どもたちは考えつき、描いていきました。
今度は2つの目玉を描いたブテンコ。「これは竜の目。皆で竜を描いてみよう!」と呼びかけました。一人が一本の線を描き足し、前の線を消してもいい、というルールを聞くと、最初は戸惑っていた子どもたちですが、みんなの手で、だんだん竜らしきものが姿を現しました。完成後、次はもっと上手に描けると思ったのか、「もう一度描きたい」という声も聞かれました。

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「本の絵を描くときには、文をよく読まないととんでもないことになります。たとえば王様を描くときに……」と言いながら、帽子をかぶり、花を持った半ズボンの男の子を描いたブテンコ。「これは王様かな?」「違う!」「じゃあ、どうしたら王様になるか変えてみよう」と提案。帽子が王冠になったり、マントを描いたりと、だんだん王様らしくなりました。
ワークショップの最後は、配られたプリントの絵を完成させるというもの。白紙の右上には、ブテンコが50年以上前から描いている男の子、ガピションがいます。お花や家を描く子、スキー板を描く子、椅子を描く子……。

できあがった絵は集められ、子どもたちは描かれたもののなかから一番良いと思うものを多数決で決め、最優秀賞を選びました。最後に全員がキャンディーをもらい、工夫と発見に満ちた1時間はあっという間に終わりました。
 数々の国で子どもたちとのワークショップを行なってきたブテンコは、日本でのワークショップを終え、「子どもたちは、国が違っても、どこでも皆同じです」と語っていたのが印象に残りました。絵のもつ力も、同様に国を超えると実感したワークショップでした。

(松方路子)