ちひろの自画像
開催中の展覧会「子どもの心を見つめて いわさきちひろ展」では、作品をめぐりながら、生涯を通して子どもを描き続けた、いわさきちひろの画業をたどることができます。
青春時代を戦争のなかで過ごしたちひろは、敗戦を機に、苦悩しながら自らの生き方を模索し始めます。展示中の小さなノートは、「草穂」と自らが題字を記した、ちひろの日記です。終戦翌日の1945年8月16日から始まり、1ヵ月あまりのあいだにつづられました。
このなかに描かれていた当時26歳のちひろの自画像と、おおよそ一年後の1946年に画家を志し、単身上京した頃(27歳)の自画像が展示室内で近くに配されています。この二枚の自画像を前にすると、画家として自立して生きることを決意した、ちひろの強い意志を感じて胸をつかれるようです。
ふたつの自画像を起点に、子どもを愛し、幸せを願ったちひろと対話するように、展示室をゆったりと進んでみてください。
子どもの心を見つめて いわさきちひろ展
2021年1月31日まで
(K.R)
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