いわさきちひろ バラと髪にかんざしを飾る晴れ着の少女 1960年代後半以降

成人の日

新成人のみなさま、ご家族のみなさま、
心よりお祝い申し上げます。

2021年に成人の日を迎える方に、いわさきちひろのことば「大人になること」を、寿ぎにお贈りいたします。

「人はよく若かったときのことを、とくに女の人は娘ざかりの美しかったころのことを何にもましていい時であったように語ります。けれど私は自分をふりかえってみて、娘時代がよかったとはどうしても思えないのです。-中略―
若かったころ、たのしく遊んでいながら、ふと空しさが風のように心をよぎっていくことがありました。親からちゃんと愛されているのに、親たちの小さな欠点が見えてゆるせなかったこともありました。
いま私はちょうど逆の立場になって、私の若いときによく似た欠点だらけの息子を愛し、めんどうな夫がたいせつで、半身不随の病気の母にできるだけのことをしたいのです。
これはきっと私が自分の力でこの世をわたっていく大人になったせいだと思うのです。大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。」
いわさきちひろ 「大人になること」(抜粋) 1972年

「大人になること」の全文は下記でご紹介しています。
https://chihiro.jp/words/#becomeanadult

いわさきちひろ バラと髪にかんざしを飾る晴れ着の少女 1960年代後半以降

(K.R.)

※ちひろ美術館・東京は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2021年1月2日より当面の間、臨時休館しております。再開館につきましては、改めて、公式サイト、Twitter、Facebookなどでお知らせいたします。