ピエゾグラフ

ちひろ美術館は、いわさきちひろの作品の保存に努め、約20年前より作品をデジタル情報として記録、保存するアーカイブを進めてきました。
この精巧な技術によるアーカイブをもとに制作をしているのが、「ピエゾグラフ」です。

ちひろの繊細な水彩表現は、高度に再現され、透かしみえる色の重なりや、わずかな鉛筆の線など細部にわたり、精緻に見ることができます。
更に、ピエゾグラフは、明るい光のもとや、温湿度の変化にも影響を受けにくいため、美術館以外での展示を可能にし、より多くの方に、ちひろ作品に親しんでいただけるようになりました。

開催中の展覧会「ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展」の会場のひとつである展示室4は、窓からの自然光と中庭の草木が映り、まるで庭と展示室が一体であるように感じる空間です。移り変わる季節と日々の天候、そして一日のうちでも刻一刻と傾いていく日の光は、作品の見え方を変えるかもしれません。

◆2021年10月2日~2022年1月16日
ピエゾグラフによる わたしの好きなちひろ展
同時開催:ちひろの歩み―童画から絵本へ—
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

◆ちひろ美術館のアーカイブと「ピエゾグラフ」
詳細はこちらをご覧ください。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/45474/

(K.R.)

いわさきちひろ ぶどうを持つ少女 1973年