ちひろ美術館スタッフ「お気に入りの作品」⑥

臨時休館中のちひろ美術館(東京・安曇野)から、おうちで美術館を楽しんでいただける情報を発信しています。学校がお休みで、外出もできない期間に、美術の世界に少し触れてみませんか。
約9,500点あるいわさきちひろの作品のなかから、ちひろ美術館のスタッフが、ひとりひとり「お気に入りの作品」を1点選び、作品への想いをリレー形式で語ります。

【ちひろ美術館スタッフ「お気に入りの作品」⑥】

いわさきちひろ あかちゃんのくるひ 『あかちゃんのくるひ』(至光社)表紙 1969年

「あかちゃんのぼうし ちょっとだけ かぶってみよう」
鏡をのぞいてみた瞬間ではないかしら、と思います。わくわくしたり、不安になったり、ちいさな胸にさまざまな思いがあふれる、あかちゃんをまつ時間。その一瞬一瞬をいきいきと描きだしています。アトリエの机に置いた小さな鏡をのぞいていた、ちひろさんの姿がふと心に浮かびます。この絵本との出会いは、遠い学生時代に洋書コーナーでみつけたイギリス版。今も宝物です。(S.K.)

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次回は、現在、ちひろ美術館・東京で開催している企画展
没後10年 瀬川康男 坦雲亭日乗―絵と物語の間(あわい)を担当しているE.S.さん。
展覧会ではあまり目にすることのできない、珍しい作品を選んでいます。

次回は、安曇野ちひろ美術館ブログよりお届けします。