ちひろのアトリエ
いわさきちひろが最後の22年間を過ごした自宅兼アトリエ跡に建つちひろ美術館・東京の館内には、1972年当時のようすを再現したちひろのアトリエがあります。
左利きだったちひろは、右側から外光を取れるように画机を配置し、左側にはパレットや筆、筆洗などの画材を並べ、中央の大きなスケッチブックの上に画用紙を広げて絵を描きました。画机は、椅子に座っても立ち上がっても自由に描ける高さに調整されています。
仕事がしやすいよう配された本棚や水場のほか、寄木の床、絨毯やベランダの手すりの色など、ちひろはアトリエの造作にこだわったといいます。
花や植物の鉢であふれたちひろのアトリエには愛する息子・猛が出入りし、ピアノの足元に愛犬チロが横たわり、ガラス戸に続くベランダには白い鳩も訪れ、ちひろはポッコと名づけて話しかけていたといいます。再現されたアトリエは、実際に愛用していた品々を間近にし、ちひろが暮らし、数々の作品を描いたアトリエでの日々と佇まいを伝えています。(K.R.)
◆2023年1月15日(日)まで開催中の展覧会
くらし、えがく。ちひろのアトリエ
くらしと仕事の両方を大切にしながら人生を切り拓いたちひろの生き方を、アトリエを軸にたどる展覧会です。作品とあわせてちひろ自身のことば、写真や資料などを紹介しています。
◆2022年11月13日(日)
展覧会関連イベント
講演会「ちひろのアトリエ」(オンライン)
講師:松本猛(ちひろ美術館常任顧問)
ちひろのひとり息子である、松本猛による講演会です。
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