瀬川康男展 おうちでギャラリートーク 3「坦雲亭のアトリエと不動明王像」

臨時休館中のちひろ美術館・東京から、ご自宅でも展覧会をお楽しみいただける「おうちでギャラリートーク」をお届けしています。

没後10年 瀬川康男 坦雲亭日乗-絵と物語の間(あわい)
おうちでギャラリートーク 3「坦雲亭のアトリエと不動明王像」

坦雲亭のアトリエのイメージを第1展示室に再現しています。

展示室1(再現アトリエ)

1981年から、連続して何枚もの絵を描き続ける「早描き」を行っていた瀬川は、画仙紙を机に置き、「観音像」「女人像」「不動明王像」一気呵成に何枚も描き上げました。「早描き」は、無意識のなかから生まれ出る形をとらえる作業でした。

早描きの「観音像」を描く瀬川康男 1980年代

早描きを板に貼る瀬川康男 1990年代

顔料のビンには、手彫りの写植で押したラベルがつけられています。画机は、ものは多くとも整頓されていました。画材をつくった職人への敬意からだったといいます。

展示室1(再現アトリエ)

瀬川はこの坦雲亭のアトリエを「インフェルノ=地獄」と呼び、タブロー(一枚絵)の「不動明王像」を自画像とも称していました。「絵をつかまえていきようと思った」と語り、渾身の思いを絵に向けた画家・瀬川康男の姿がそこに見えるかのようです。

瀬川康男 不動明王像(部分) 1990年代
テンペラ・金・顔彩

◆展覧会情報はこちら
没後10年 瀬川康男 坦雲亭日乗―絵と物語の間(あわい) 

◆同時開催
いわさきちひろ 子どものしあわせ―12年の軌跡

(K.R.)

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