8/3 こどもワークショップ 積み木のラビリンス

中央のテーブルには、小さくカットされた木片が山盛りの器がドーンと置かれ、
多目的展示ホールに、ほのかに木の香りがただよいます。
彫刻家、森哲弥さんを講師に迎えて「積み木のラビリンス」ワークショップの始まりです。

一人ひとりに配られたのは30㎝四方の四角い板。
端っこと中央に一つずつ、小さな穴が開いています。
これが、ビー玉を走らせるスタートとゴール地点。
この板の上に、ゴールまでの長い迷路を作っていくというわけです。

森さんの作品を見せてもらいながら、まずは作り方の説明を聞きます。
手順がいろいろとあります。平面的な迷路を作るのが第一段階。
さらに、第二段階では、迷路の上に、塔や建物を積んで、立体的な世界を作るのです。
なかなかむずかしそう、とちょっと不安そうな顔もあり、
すでに迷路を考え始めたらしい真剣な顔あり、さまざまな顔ぶれ17人の、いよいよ制作開始です。

「道を作るというのは、つまり壁を作るということなんだよ」と森さん。
最初は道のイメージがつかめず、木片を持ったまま、スタート地点とにらめっこになっている子も。
「最初どっちに進みたい?まっすぐ?それとも横に行く?」「うーん。こっちにする!」
最初の一歩が決まると、手が動き始めます。
木片一つ一つに、指で木工用ボンドを塗って貼りつけていきます。

あっという間に時間が過ぎ、ようやく、「ゴールまでできた!」うれしそうな声が上がりはじめました。
「大丈夫かな。時間内にできるかな。」と心配そうな森さん。
第二段階まで行けるのかしらと、こちらも少しハラハラ。2時から4時半までの長丁場です。
途中、休憩タイムを呼びかけたものの、「間に合わないよ!」と、ほとんど席を立つ子がいません。

ところが、後半のみんなの動きは驚きでした。
迷路ができると、次々と立体を作り始めます。
煉瓦を積むように、きっちりと壁を作ったり、長短いろいろな長さの木片でカーブした壁に屋根をかけたり、
不思議な塔が現れたり、実にさまざまで一つとして同じものはありません。
みんなのものすごい集中力で、ついに、1人1人の個性が表現された、ステキな17のラビリンスが完成!

最後に、どこがむずかしかったか、どこを工夫したか自分の作品について発表して、会の終了時間となりました。
ラッカーをかけてもらい、大切に持って帰ったみなさん、今頃、世界に一つしかないラビリンスで遊んでいるかな。(S.K)