絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ:「もうお母ちゃんが死なれてから六年になります」
もうお母ちゃんが死なれてから六年になります。あれから六年間もお母ちゃんと一度もお話ができなかったのかと思うと、ほんとになさけなくてなさけなくてたまりません。学校のお友だちのお母さんをみると、私はきゅうにさびしくなって、なきだしたくなります。でも、私にはやさしいやさしいおじいちゃんや、おばあちゃんや、おじさん、おばさんが、おられるので、うれしいと思います。そして毎日学校にいくと、先生がやさしくべんきょうをおしえてくださるし、なかよしのお友だちとあそんだりして、学校にいくのが一ばんたのしい。
土生幸子 小学校五年生(当時満五歳)より、一部抜粋
*記載は作文を書いたときの学年。( )内は、原爆投下当時の年齢。
ことば:『わたしがちいさかったときに』(童心社、1967年)より
作品:いわさきちひろ 指先でつまんだ赤い花 1971年

いわさきちひろ 指先でつまんだ赤い花 1971年
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◆絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」 の開催にあわせて、本展に寄せられた出品作家からのメッセージ、そして、広島で被爆した子どもたちのことばを、会期中、少しずつご紹介していきます。
◆開催中の展覧会:2025年7月26日(土)~10月26日(日)
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/80444/
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