いわさきちひろ 三人姉妹 1972年

年末のごあいさつ

早いもので、今年も残りわずかとなりました。
今年一年、ちひろ美術館にお越しいただいたみなさま、いつも当館の活動をあたたかく応援してくださるみなさま、本当にありがとうございました。

『続 窓ぎわのトットちゃん』の刊行、映画「窓ぎわのトットちゃん」の公開などうれしいご報告の一方で、戦争の悲惨なニュースが日々報道された2023年。ちひろ美術館は、ちひろが描いた作品を通して、平和への願いを訴えてきました。

いわさきちひろ 三人姉妹 1972年

いわさきちひろ 三人姉妹 『母さんはおるす』より 1972年

戦場にいかなくても戦火のなかでこどもたちがどうしているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです。子どもは、そのあどけない瞳やくちびるやその心までが、世界じゅうみんなおんなじだからなんです。―いわさきちひろ 1973年

ベトナム戦争激化のなか、現地の子どもたちを案じていたちひろは、病をおして描いた絵本にこのことばを遺し、1974年に終戦を見ることなく亡くなりました。
2024年は、いわさきちひろの没後50年となる年。節目となる新しい年には、世界中のどこでも、子どもたちが戦火にさらされることのないように願ってやみません。